医療ソーシャルワーカーは、医療機関において、社会福祉の立場から患者さんやそのご家族の方々の抱える経済的・心理的・社会的問題の解決、調整を援助し、社会復帰の促進を図る業務を行います。当院には社会福祉士や精神保健福祉士といった国家資格を取得した医療ソーシャルワーカーが8名在籍しています。
病棟ごとに担当のソーシャルワーカーが配置されており、具体的には
1. 療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助
2. 退院援助
3. 社会復帰援助
4. 受診・受療援助
5. 経済的問題の解決、調整援助
6. 地域活動
を行っています。
2018年の月平均相談件数は994件、2019年は1,237件で相談の需要が増えています。
具体的な相談内容は
「急に退院と言われたが、このままでは帰るのが不安」
「最期は住み慣れたわが家で過ごしたい」
「自分には身寄りがいないので、万が一の時のことを考えたい」
「医療保険に入っていない。医療費を払ったら生活できない」
「虐待の疑いがある。DVの疑いがある」等々でした。
これらの相談に対して、患者さんご自身やご家族の気持ちや生活課題の整理を行い、具体的な対応を、患者さん・ご家族・院内スタッフ等と一緒に考えていきます。具体的な対応とは、在宅サービス、リハビリや療養目的の転院や施設入所調整、経済的な問題に対する制度活用、ご家族や友人、地域住民との繋がりの支援、行政機関との調整などです。このような相談は患者さんご本人やご家族の意向と向き合いながら行うため方法や内容に決まったものはなく個別性の高い対応となります。個別支援を行うと同時に、虐待の通告に関する院内システム、地域のケアマネージャーと病棟スタッフを結びつけるシステム、退院支援スクリーニングシステムなどの院内外の仕組み作りに取り組んでいます。
当院は埼玉県がん診療指定病院となっており、「がん診療連携協議会の相談支援作業部会」に参加しています。そこでは、拠点病院である埼玉県立がんセンターを中心にがん相談の質の向上のためさまざまな研修や意見交換をしています。
今年は、がん患者支援チャリティーイベントである「リレーフォーライフジャパンさいたま」にサブリーダー病院として参加し、埼玉県のがん拠点病院や指定病院と「がん患者の居場所づくりとがんの啓発」を目指して活動することができました。このような取り組みを、がん診療指定病院としてこれからも継続していきたいと考えています。
また、今年はソーシャルワーカー全員ががん相談支援センター相談員基礎研修を終え、がん相談に対する知識の拡充を図りました。
本年も私たち医療ソーシャルワーカーは、社会福祉の専門性を活かし、患者さんやご家族の目線に立った支援、そして患者さんやご家族が持っている力を最大限に活用し、自ら問題解決ができるよう最善のサポートを心がけていきます。そのために研修参加など自己研鑽に努め、医療ソーシャルワーカーとしてさらに飛躍していけるよう頑張って行きたいと思います。
なにかご心配なことがありましたら、気軽にお声かけください。
病床管理室主任 仲上由佳
2017年 | 2018年 | 2019年 | |
---|---|---|---|
1月 | 1,121 | 1,048 | 1,291 |
2月 | 1,118 | 942 | 1,263 |
3月 | 863 | 1,063 | 1,202 |
4月 | 873 | 862 | 1,209 |
5月 | 825 | 956 | 1,348 |
6月 | 860 | 958 | 1,237 |
7月 | 793 | 963 | 1,153 |
8月 | 793 | 963 | 1,226 |
9月 | 864 | 968 | 1,186 |
10月 | 829 | 1,075 | 1,268 |
11月 | 826 | 1,061 | 1,226 |
12月 | 906 | 959 | 1,061 |
計 | 10,671 | 11,818 | 14,670 |