院内の高度医療機器を扱う部門として「ME課」があり、臨床工学技士が透析センターと院内医療機器管理の業務を兼任しています。特に循環器疾患や呼吸器疾患では、医療機器の使用頻度も多く、夜間の当直体制をとって対応を強化しています。
ME課の任務は、以下のようなものがあります。
・医療機器安全管理業務(人工呼吸器・補助循環装置など生命維持代行装置の操作と保守、安全な装置運用のため
の講習の実施、その他)
・心臓カテーテル治療・心内アブレーション治療・心臓ペースメーカー業務
・侵襲的治療装置の操作と保守(高気圧酸素治療業務・RFA装置など)
・在宅で稼働する医療機器への介入(睡眠呼吸障害に用いるCPAP/ASV装置・在宅酸素療法に用いる装置など)
・一部の手術室業務(手術用ロボットの保守管理など)
心臓は電気の命令で動きますが、それは刺激伝導系と呼ばれる電線のようなものにより伝わります。ここに「断線」が生じると脈が途切れる病態となり、「漏電」が生じると脈が異常に速まる病態となります。前者の場合すでに心臓ペースメーカーやその周辺機器を用い当課として支援する体制がありましたが、2019年7月より脈が速まる病態に対しても治療する体制が新たに整い、チームの一員として任務にあたっています。
我々が操作介入する医療機器は主に①心臓を電気で刺激し不整脈を誘発する装置と、②心臓の内部情報を3次元的に空間構築し、漏電の起きている伝導部を特定し熱で焼き切る装置です。どちらの任務も熟練の技術と専門的知識を求められるため、循環器業務に精通した課員を配置し対応しました(2021年11月以降、一旦休診しております)。
医療機器は院内の隅々で絶え間なく稼働し、患者さんが重症であるほどその役割は重く、取扱いは複雑になります。それら医療機器の運用上の後方支援も、我々の任務です。
現在は感染症が猛威を振るうなかで、医療機器の運用体制を常に見直しながら対応をしております。特に、人工呼吸器をはじめとした生命維持管理装置が安全で効果的に運用されるよう、感染症に対応した決め事や消耗品構成とし、装置管理の立場から支援しております。
救急棟が新たに稼働するにあたり、集中治療や救急治療の領域において稼働する装置の導入にも関わることができました。また、装置が良いコンディションで稼働するための日常の装置管理と、実際に運用するスタッフが操作を習得するためのトレーニングなど、事前の準備から現在の運用に至るまで支援させていただいております。
高度医療機器を用いた医療の提供を通し、一人でも多くの患者さんの命を救えるよう努力していく所存です。
透析センター・ME課課長 大谷哲也
脳神経外科領域 | その他(消化器・整形外科疾患など) | |
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2013年 | 19 | 96 |
2014年 | 0 | 94 |
2015年 | 54 | 116 |
2016年 | 96 | 117 |
2017年 | 69 | 155 |
2018年 | 109 | 166 |
2019年 | 257 | 221 |
2020年 | 235 | 122 |
2021年 | 138 | 178 |
患者数 | |
---|---|
2011年 | 117 |
2012年 | 179 |
2013年 | 233 |
2014年 | 341 |
2015年 | 402 |
2016年 | 429 |
2017年 | 464 |
2018年 | 497 |
2019年 | 509 |
2020年 | 491 |
2021年 | 282 |