診療科のご案内

概要

薬剤課には、23名の常勤薬剤師が配属されており、製剤室業務と病棟業務を担当しています。製剤室が応需する1日処方箋枚数は約140枚、注射箋による注射指示件数は約820件であり、これらを当日出勤の薬剤師7名が対応しています。一方で、病棟業務は1病棟1名体制となっており、7名の薬剤師が常駐配置されています。

 当院の薬剤課の特色は、薬剤師をサポートする様々なシステムが導入されているところです。医薬品SPD(Supply Processing and Distribution)はそのひとつであり、医薬品の発注、納品、払出、そして在庫管理に関する業務を専門のスタッフが担当しています。この医薬品SPDの導入により、薬剤師の在庫管理に係る時間は大きく削減されています。SPDシステムの他にも、計数調剤をサポートするバーコード認証システムや、一包化された錠剤の適否をチェックする錠剤監査支援システム(MDM)も導入され、薬剤師であれば誰でも経験する調剤ミスは格段に減じています。

 病棟薬剤師の業務体制は、そのほとんどを病棟で過ごすフルタイム常駐です。そして、病棟薬剤師は2カ月ごとに担当病棟を交代し、複数の診療科を経験できる体制としています。これはジェネラリストとしてのスキルを磨くことが目的です。

 専門性についても拡充を図っています。がん薬物療法認定薬剤師、外来がん治療認定薬剤師、感染制御認定薬剤師、栄養サポートチーム専門療法士などの有資格者が協働しており、薬剤師をはじめとする様々な医療スタッフをサポートしています。

 

2022年総括

 2022年3月に西棟1Fの第1薬局の拡張工事が完了しました。広がったスペースには注射薬自動払出機(アンプルピッカー/写真右)が導入され、注射薬の払い出しに関する安全性が格段に向上しました。アンプルピッカーは注射箋のデータを取込み、使用される予定の注射薬を1施用単位ずつにまとめて払い出してくれます。ボタンを押すと必要な薬がカゴの中に揃って出てくるという薬の自動販売機のイメージです。人がピッキングしていた時に比べ、薬品間違いや数量ミスの発生頻度は劇的に減少したことを考えると、導入効果は大きかったと考えています。

 

2023年目標

 2022年までに様々なシステム機器の導入があり、製剤室のサポート体制は充実してきていると思います。2023年では、これらのシステム機器を取り扱うヒューマンスキルについて焦点を当てていきたいと思っています。機械は万能ではなく、人間のスキルが必須です。ひとりひとりのスキルレベルが向上すれば、より安全で適切な薬物療法を提供することができます。近年はコロナ過を理由にして研修会を控える傾向がありました。本年からは改めてWithコロナという考え方を基にして、感染対策に配慮しながらヒューマンスキルの向上を図りたいと思っています。

 

薬剤課課長 堀越慶一

 

 

レジメン登録一覧

診療実績・症例

図表1

臨床薬剤室(7病棟7名体制)製剤室(薬剤師11名・補助2名)
8:00
9:004南病棟3南病棟3新南病棟2南病棟2新南病棟2西病棟2東病棟ケモMix注射向精神薬管理内服内服調剤補助DI
10:00
11:00注射
12:00休憩休憩
13:00休憩休憩休憩休憩休憩休憩休憩休憩休憩休憩内服薬局事務休憩
14:004南病棟3南病棟3新南病棟2南病棟2新南病棟2西病棟2東病棟麻薬管理注射休憩内服DI
15:00注射
16:00TPN
Mix
調剤補助
17:00
18:00

認定資格一覧

資格取得者認定資格取得年
柄沢 良恵がん薬物療法認定薬剤師(日本病院薬剤師会)2017
外来がん治療認定薬剤師(日本臨床腫瘍薬学会)2016
田中 祐介外来がん治療認定薬剤師(日本臨床腫瘍薬学会)2017
宇野 啓一感染制御認定薬剤師(日本病院薬剤師会)2015
須賀 満美NST専門療法士(日本静脈経腸栄養学会)2012
木内 裕子認定実務実習指導薬剤師(日本薬剤師研修センター)2014
兵頭 恵NST専門療法士(日本静脈経腸栄養学会)2012
リウマチ財団登録薬剤師(日本リウマチ財団)2014
堀越 慶一認定実務実習指導薬剤師(日本薬剤師研修センター)2012

薬剤課統計指標

単位1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
処方せん(入院処方) 枚数枚/月4,6054,1934,8204,8144,4604,2144,1484,4734,2274,2264,5894,50653,275
処方せん(外来院内処方) 枚数枚/月2401541621831631382172712351782052602,406
注射せん 枚数枚/月7,6967,6468,9937,3216,9946,8317,0307,5717,3787,5058,4637,90091,601
注射せん Rp)数件/月25,82227,03429,98224,66322,86821,44722,60725,00623,23523,27825,27725,874297,093
注射せん(化学療法) 枚数枚/月1281251521271301671531741461341471251,708
無菌製剤処理 件数件/月7096606915004934005606726147326976427,370
薬剤管理指導料 算定件数件/月1,3101,2581,4131,3031,3291,1961,1691,2131,1011,1491,1971,07814,716
疑義照会 件数件/月18815115816511517215914792991232591,828
処方提案 件数件/月584154748998817557406231760
一般名院外処方箋 枚数件/月1,6981,8422,2122,0522,1342,2302,7222,8652,3632,2012,4413,41728,177

薬剤課のあゆみ

項目
2009年医薬品SPD導入
2010年病棟薬剤師5病棟 フルタイム常駐体制導入
2012年病棟薬剤師7病棟へ拡大
病棟薬剤業務実施加算 取得
2013年薬薬連携カンファレンス開始
2014年バーコード認証システム導入
2016年外来化学療法室に認定薬剤師を専任配置
外来化学療法加算「1」取得
2018年院外処方箋への検査値表記開始
感染制御認定薬剤師を専任配置
分包薬自動監査システム(MDM)導入
2019年感染制御認定薬剤師を専従化
抗菌薬適正使用支援加算 取得
2020年トレーシングレポートによる点眼薬指導連携を導入
2021年錠剤自動仕分返納装置導入
院外処方に一般名処方を導入
2022年注射薬自動払出機導入

認定資格取得一覧

認定資格取得者数
がん薬物療法認定薬剤師(日本病院薬剤師会)1名
外来がん治療認定薬剤師(日本臨床腫瘍薬学会)2名
感染制御認定薬剤師(日本病院薬剤師会)1名
NST専門療法士(日本静脈経腸栄養学会)1名
認定実務実習指導薬剤師(日本薬剤師研修センター)2名