診療科のご案内

概要

薬剤課には、21名の薬剤師と1名の調剤補助員、加えて薬品SPDスタッフ8名が配属されており、製剤室業務と病棟業務を担当しています。製剤室は注射室と調剤室に分かれており、注射室は薬剤師2名/日と薬品SPDスタッフ6名/日が担当し、調剤室は薬剤師4名/日が担当しています。一方で、病棟業務は1病棟1名体制をとっており、8名の病棟薬剤師が専任配置されています。

当院の薬剤課の特色は、薬剤師をサポートする様々なシステムが導入されているところです。医薬品SPD(Supply Processing and Distribution)はそのひとつであり、医薬品の発注、納品、払出、そして在庫管理に関する業務を専門のスタッフが担当しています。この医薬品SPDの導入により、薬剤師の在庫管理に係る時間は大幅に削減されました。この他にも、計数調剤をサポートするバーコード認証システムや、一包化された錠剤の適否をチェックする錠剤監査支援システム(MDM)、錠剤自動仕分返納装置(Genie)、アンプルピッカー(UNPUL)が導入され、薬剤師であれば誰でも経験する調剤ミスは格段に減じています。

病棟薬剤師の業務体制は、そのほとんどを病棟で過ごすフルタイム常駐です。そして、病棟薬剤師は2ヶ月ごとに担当病棟を交代し、複数の診療科を経験できる体制としています。これはジェネラリストとしてのスキルを磨くことが目的です。

専門性についても拡充を図っています。がん薬物療法認定薬剤師、外来がん治療認定薬剤師、感染制御認定薬剤師、栄養サポートチーム専門療法士などの有資格者が協働しており、薬剤師をはじめとする様々な医療スタッフをサポートしています。

 

【2024年の総括】

新型コロナウイルス感染症が5類感染症に区分変更されて以降、社会経済活動は、記録的な円安という余波を受けながらもコロナ禍以前の様相に戻ってきました。当院にあっては、2023年に比し病床稼働数や救急搬送件数が増加し、2024年は繁忙な年であったと振り返ります。

医薬品の供給不足にも悩まされた年でした。日本製薬団体連合会の調べでは、すべての注文に対応できない「限定出荷」や「供給停止」となった薬品は3836品目にのぼり、代替薬の確保や類薬の提案など、平時にはない労力を要した年でした。

 

【2025年の目標】

2025年は薬剤師の人材確保に向けて取り組みます。2024年4月に改正医療法が施行され、医療従事者の働き方改革が叫ばれるようになりました。薬剤師には医薬品全般に関わる業務効率の向上やタスクシフト・タスクシェアが求められており、その活躍の場は一層の広がりを見せています。正確な調剤はもとより、積極的な処方提案や処方サポート、薬物療法に関するインフォードコンセント、薬効評価や副作用モニタリングなど、求められている業務は多岐にわたります。現在も可能な限り取り組んでいますが、さらなる拡充を図るためには人材の確保が必須です。2025年の薬剤課の取り組みが、働き方改革推進の大きな一翼を担えるよう奮励努力したいと思っています。

 

診療実績・症例

図表1

臨床薬剤室(7病棟7名体制)製剤室(薬剤師11名・補助2名)
8:00
9:004南病棟3南病棟3新南病棟2南病棟2新南病棟2西病棟2東病棟ケモMix注射向精神薬管理内服内服調剤補助DI
10:00
11:00注射
12:00休憩休憩
13:00休憩休憩休憩休憩休憩休憩休憩休憩休憩休憩内服薬局事務休憩
14:004南病棟3南病棟3新南病棟2南病棟2新南病棟2西病棟2東病棟麻薬管理注射休憩内服DI
15:00注射
16:00TPN
Mix
調剤補助
17:00
18:00

認定資格一覧

認定資格人数
がん薬物療法認定薬剤師(日本病院薬剤師会)1名
がん薬物療法認定薬剤師(日本病院薬剤師会)1名
外来がん治療認定薬剤師(日本臨床腫瘍薬学会)1名
感染制御認定薬剤師(日本病院薬剤師会)1名
NST専門療法士(日本静脈経腸栄養学会)1名
認定実務実習指導薬剤師(薬学教育協議会)1名

薬剤課統計指標

単位1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月合計
処方せん(入院処方) 枚数枚/月4,3814,2084,6584,2554,2884,0914,9325,0874,5804,8644,5845,29555,223
処方せん(外来院内処方) 枚数枚/月1791911542052122012691941891841633442,485
注射せん 枚数枚/月6,9526,2016,0976,2176,8456,7227,2537,9246,9217,5847,4048,38284,502
注射せん Rp)数件/月21,31618,56617,78217,84620,15220,48621,29824,66620,11321,43019,87824,369247,902
注射せん(化学療法) 枚数枚/月716563697471906772947393902
無菌製剤処理 件数件/月1961901171561511381321942011812222132,091
薬剤管理指導料 算定件数件/月1,1271,0611,0801,1471,2281,1971,3281,3541,2991,2281,2271,25514,531
疑義照会 件数件/月2321701811441861651942241591812042282,268
処方提案 件数件/月909167519884115102918665971,037
一般名院外処方箋 枚数件/月3,7573,2763,4353,0563,2283,3065,0025,6665,9307,5296,8538,65959,697

処方変更実績

処方変更2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年
処方変更なし件/年43 34 54 54 54 53 40
処方変更あり件/年158 150 159 158 185 188 149
疑義照会件数件/年201 184 213 212 239 241 189
受入れ率78.8%81.7%74.6%74.7%77.2%77.9%78.6%

薬剤課のあゆみ

項目
2009年医薬品SPD導入
2010年病棟薬剤師5病棟 フルタイム常駐体制導入
2012年病棟薬剤師7病棟へ拡大
病棟薬剤業務実施加算 取得
2013年薬薬連携カンファレンス開始
2014年バーコード認証システム導入
2016年外来化学療法室に認定薬剤師を専任配置
外来化学療法加算「1」取得
2018年院外処方箋への検査値表記開始
感染制御認定薬剤師を専任配置
分包薬自動監査システム(MDM)導入
2019年感染制御認定薬剤師を専従化
抗菌薬適正使用支援加算 取得
2020年トレーシングレポートによる点眼薬指導連携を導入
2021年錠剤自動仕分返納装置導入
院外処方に一般名処方を導入
2022年注射薬自動払出機導入
2023年アイソレーター導入
2024年特殊医薬品入出庫管理システム(NOVUMN)導入