CTは解像力に優れており、小さな(数ミリの)病変まで検出することができます。胸部X線画像では見つけることができなかった病変も、CTでは確認し発見することができます。つまり、CT検査を行なうことで、病気の早期発見率が向上するのです。
広範囲の撮影を可能とした320列面検出器を搭載することで、従来のマルチスライスCT装置に比べ、検査時間が飛躍的に速く、しかも身体の内部をより細かく検査できます。
従来のマルチスライスCT
広範囲の撮影が可能な320列CT
造影剤を腕から注射した直後から、約1分間、約2秒間隔で、頭部のCT撮影を行います。造影剤が、脳に流入し流出する過程を解析することで、脳の血液を取り込む機能を評価することが可能です。 脳細胞が機能不全になっている状態か、機能低下状態なのかを判断することで、治療方針の決定に役立ちます。 また、撮影した画像のなかから、一部のタイミングだけをコンピュータ処理することで、脳の機能不全・機能低下の原因になっている血管を見つけることも可能です。機能不全にまで陥ってない場合は、早期に適切な処置をすることで、脳機能を正常に回復することが可能になります。当院のCTでは、1回の造影検査で頭部全体を0.5mmの細かさで検査することが可能です。
造影剤を注射し、心臓に血液を送る血管(冠動脈)に造影剤が到達したタイミングでCT撮影を行う検査です。得られた画像をコンピュータ処理することで、冠動脈をあらゆる角度から観察可能です。従来は、カテーテルという細い管を冠動脈内に直接挿入し冠動脈の形態を観察していましたが、冠動脈CTでは腕に注射するだけなので、従来よりも安全に冠動脈検査することが可能となりました。
冠動脈CT検査により、血管の細くなっている部分の発見や、血管壁に蓄積した石灰化や脂質などの性状を把握することが可能です。これらは狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患の原因となるため、早期発見により、予防措置や治療方針決定に役立ちます。当院のCTでは、短時間に、確実に、低被ばくで、冠動脈を撮影することが可能です。
冠動脈CT360°
検査に時間がかからない
被爆量が少ない
頭部、胸部、腹部、骨など
当院では、320列CTのほかに80列CT、64列CTが稼働しています
これまで動きがあって描出が困難であった心臓の血管(冠動脈)も、極めて鮮明な画像での診断が可能になりました。それゆえ、今まで血管撮影装置で行われていた検査が、この最新鋭のCTで簡単に行えるようになりました。しかも、造影剤の量や放射線被曝も半減できますので、患者さんの負担が圧倒的に少なくなります。またCT検査では、造影剤を注入する際に、静脈注射だけで済みます(従来のようにカテーテルを血管内へ挿入する必要もありません)ので、より安全に診断することができます。
320列CTは救急棟1Fに設置されています
320列CTでは身体の内部を一度に16cm見ることができ、かつその間隔は0.5mm間隔です。従来は細かく見るためには撮影時間が掛かってしまい、結果的に被曝も多くなってしまいました。この装置は16cmを撮影するのに1回転、わずか0.35秒で終了します。頭部や心臓をはじめ、全身の各臓器でもあっという間に検査が終了します。勿論、被曝も少ない状態で検査を受けられますので、小児や高齢者をはじめ、すべての患者さんにとって大変有用な検査を実現します。
放射線課係長 寺山 均
2023年 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 合計 |
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1455 | 1350 | 1448 | 1235 | 1292 | 1322 | 1239 | 1379 | 1451 | 1378 | 1247 | 1428 | 16,224 |
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
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CT撮影件数 | 16,298 | 17,830 | 17,830 | 18,106 | 20,250 | 18,489 | 16,224 |